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小特集 インフルエンザ診療最前線
2.インフルエンザ感染症のリスクマネジメント
Risk management for influenza infection
賀来満夫
1
Kaku Mitsuo
1
1東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座 感染制御・検査診断学分野 教授
キーワード:
インフルエンザウイルス
,
パンデミック
,
H1N1
,
トータルリスクマネジメント
,
H7N9
Keyword:
インフルエンザウイルス
,
パンデミック
,
H1N1
,
トータルリスクマネジメント
,
H7N9
pp.96-104
発行日 2013年11月25日
Published Date 2013/11/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201312096
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インフルエンザ感染症は,感染症の世界的なグローバル化,地域におけるボーダレス化の波とともに,さまざまな問題を投げかけてきている。2009年にパンデミックとして世界的なパニックを引き起こしたインフルエンザA(H1N1)2009ウイルス感染症は従来の季節性インフルエンザに比べ,青壮年層の死亡例が多く報告されるなど問題も多く,パンデミック発生時にはわが国は世界でもっとも被害の少なかった国として高い評価を受けたものの,やはりいくつかの課題も残された。インフルエンザウイルスは,遺伝子の突然変異,再集合による頻雑な抗原変異といった特殊な性質によりワクチンによる効率的な感染予防が困難となっている。そのため,インフルエンザ感染拡大のリスクを最小限に抑えるには診断・治療・予防に関して可能な限りの対策を同時に行うトータルマネジメントが不可欠となる。本稿では,インフルエンザ感染症の特殊性について理解を深め,感染拡大防止のためのトータルリスクマネジメントについて解説する。