Japanese
English
特集 国際的に脅威となる感染症
4.鳥インフルエンザH5N1感染症
Infectious disease due to avian influenza H5N1 virus
中屋隆明
1
,
白杉迪洋
2
Nakaya Takaaki
1
,
Shirasugi Michihiro
2
1京都府立医科大学大学院医学研究科感染病態学 教授
2京都府立医科大学大学院医学研究科感染病態学/歯科口腔科学
キーワード:
インフルエンザウイルス
,
H5N1
,
パンデミック
,
ヘマグルチニン
Keyword:
インフルエンザウイルス
,
H5N1
,
パンデミック
,
ヘマグルチニン
pp.50-57
発行日 2017年1月25日
Published Date 2017/1/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201702050
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
我々が罹患する季節性インフルエンザウイルスはヒトからヒトへの感染により伝播するが,地球上には,その何十倍もの種類のインフルエンザウイルスが「鳥」や「豚」を宿主として存在する。憂慮すべきことに,これら「動物」インフルエンザの中からヒト間で大流行するウイルスが出現することがある。2009年のインフルエンザウイルスH1N1pdmのパンデミック(汎流行)はその一例であるが,それ以外にも鳥インフルエンザウイルスH5N1が,2003年の発生以来,いまもなお鳥からヒトに致死的な感染を起こしており,特にエジプトでは2010年以降にヒト感染例が顕著に増加している。本稿では,鳥インフルエンザH5N1ウイルスの流行状況,病原性の分子機構および,H5N1ウイルスがヒト間で伝播し得るウイルスに変化する可能性等について解説する。