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特集1 いわゆるヒト喰いバクテリアと劇症型感染症
9.ビブリオ・バルニフィカスの病原性研究の現状と予防・治療法の確立に向けた展望
Future diagnosis and treatment of Vibrio vulnificus infection based on its pathogenesis
柏本孝茂
1
Kashimoto Takashige
1
1北里大学獣医公衆衛生学研究室 准教授
キーワード:
ビブリオ・バルニフィカス
,
病原性
,
発症機構
,
感染モデル
,
肝疾患
Keyword:
ビブリオ・バルニフィカス
,
病原性
,
発症機構
,
感染モデル
,
肝疾患
pp.87-94
発行日 2013年6月25日
Published Date 2013/6/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201307087
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ビブリオ・バルニフィカス感染症は慢性肝疾患患者に多くみられる日和見感染症である。本菌は日和見感染症起因菌であるが,ひとたび発症するとその病状は凄まじく,進行も早いことから,ヒト喰いバクテリアと呼ばれ,恐れられている。本菌の病原性研究はアジア圏を中心とした各国で精力的に進められているが,病原性研究に欠かせない適切な実験感染モデルが確立されていないことから,依然,本菌の病原因子は未解明のままである。本感染症の発症機序を分子レベルで理解し,本感染症の征圧に役立てるために,ハイリスク患者の基礎疾患をできうる限り再現した感染モデルの開発が急がれる。