Japanese
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特集1 いわゆるヒト喰いバクテリアと劇症型感染症
8.ビブリオ・バルニフィカス感染症の臨床と疫学
Clinical features and epidemiology of Vibrio vulnificus infections
松本浩一
1
,
山田友子
1
,
冨田由紀子
2
,
大石浩隆
3
,
坂口嘉郎
4
Matsumoto Kouichi
1
,
Yamada Tomoko
1
,
Tomita Yukiko
2
,
Oishi Hirotaka
3
,
Sakaguchi Yoshiro
4
1佐賀大学医学部附属病院集中治療部 助教
2佐賀大学医学部附属病院麻酔科蘇生科 助教
3医療法人天心堂志田病院
4佐賀大学医学部附属病院麻酔科蘇生科 教授/集中治療 部長
キーワード:
ヒト喰いバクテリア
,
ビブリオ・バルニフィカス
,
季節性
,
地域性
,
感染予防
Keyword:
ヒト喰いバクテリア
,
ビブリオ・バルニフィカス
,
季節性
,
地域性
,
感染予防
pp.78-85
発行日 2013年6月25日
Published Date 2013/6/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201307078
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ビブリオ・バルニフィカスは劇症型A群レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)とともに“ヒト喰いバクテリア”と称される。本菌は温暖な汽水域を好むことから本感染症の発生には季節性・地域性が認められる。重篤な肝障害や免疫能の低下を基礎にもつ患者が,生鮮海産物の経口摂取や,創傷の海水への曝露を介して本菌に感染すると,数時間~数日以内に四肢に壊死性筋膜炎を生じ,急激に敗血症性ショックへと移行する。早期診断には本感染症の特徴を念頭において診察を行う必要がある。重篤化すれば集中治療を行っても6割以上の患者は死亡する。一方で,健常者において本菌はほとんど害がない。正しい知識をもって感染予防に努めることが重要である。