Japanese
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連載 忘れてはならない輸入感染症と稀少感染症(11)
フィラリア症(糸状虫症)
Filariasis
木村英作
1
Kimura Eisaku
1
1愛知医科大学名誉教授/元・愛知医科大学・寄生虫学教室 教授
キーワード:
リンパ系フィラリア症
,
象皮病
,
オンコセルカ症
,
河川盲目症
,
イヌ糸状虫症
,
人獣共通感染症
Keyword:
リンパ系フィラリア症
,
象皮病
,
オンコセルカ症
,
河川盲目症
,
イヌ糸状虫症
,
人獣共通感染症
pp.106-113
発行日 2013年5月25日
Published Date 2013/5/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201306106
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わが国では1980年頃以降,いわゆるヒトのフィラリア症の流行はなくなった。現在は,輸入感染症,あるいは人獣共通感染症としてのフィラリア症が問題となっている。本稿では,バンクロフト糸状虫症,オンコセルカ症,イヌ糸状虫症,およびイノシシのオンコセルカのヒト寄生を取り上げる。前2者は代表的フィラリア症で,WHOを中心に政府・企業・NGO・住民が協力する世界規模の対策が進行中である。後2者は人獣共通感染症で,イヌ糸状虫症はわが国でもっとも患者数の多いフィラリア症である。わが国で発見されたイノシシのオンコセルカのヒト寄生は今日なお,未知の寄生虫感染症が出現しうることを示す一例である。