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精索部糸状虫症について
松山 昌
1
,
阿世知 節夫
2
1県立鹿児島医科大学 皮膚泌尿器科教室
2国立都城病院 皮膚泌尿器科
pp.417-419
発行日 1954年7月1日
Published Date 1954/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201236
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緒言
Wise and Minnet (1919)によれば人体内で糸状虫成虫が屡々発見される部位は腎孟組織内,精索リンパ管,後腹膜組織,睾上体等であるという。臨床的によく観察されるのは精索,睾上体で特に前者が大部分である。本邦に於てもその報告は可成り多い。肥田,佐藤,後藤,藤島,木村,渡辺(清),二神,田代,小清水,渡辺(知倶人),中村・市村等で渡辺(清),中村・市村はその病理組織所見についても詳述している。本症は糸状虫症の浸淫地では可成り屡々みられるもので睾上体精索結核との鑑別が問題になる。中村・市村はこの点についても解説している。本症は成虫がリンパ管内に寄生して局所に強い組織反応を惹起するが,近接部位にも相当の反応を呈することを岡村教授等が指摘しておられる。その組織反応の強さは注目に値する。
著者等は約1年の間に本症の5例を経験したのでその症例につき報告する。
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