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連載 私達の研究(123)
C型肝炎ウイルスのゲノム複製や粒子形成を制御するしくみ
Molecular mechanisms on replication and virion formation of hepatitis C virus
鈴木哲朗
1
Suzuki Tetsuro
1
1浜松医科大学医学部感染症学講座ウイルス学・寄生虫学分野 教授
キーワード:
C型肝炎ウイルス,複製,粒子形成,ATP
Keyword:
C型肝炎ウイルス,複製,粒子形成,ATP
pp.97-103
発行日 2013年5月25日
Published Date 2013/5/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201306097
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C型肝炎ウイルス(HCV)持続感染者からの発症予防,慢性肝炎から肝硬変,発がんへの進展阻止は公衆衛生上,きわめて重要な課題である。HCV生活環を制御する分子機構を明らかにすることにより創薬のための新たな分子標的が見出される。我々は,HCVの非構造タンパク質と会合し,ゲノムRNA複製に関与する宿主因子を同定し,複製における機能を解析した。また,HCV粒子形成の初期過程においてNS5Aタンパク質が非常に重要な役割を果たしていることを明らかにした。さらに,蛍光ATP(アデノシン三リン酸)バイオセンサーATeamを活用し,HCVをモデルとしてウイルスRNA複製細胞におけるATP動態を可視化し,複製にともなうATP分布の変化を明らかにすることに成功した。