Japanese
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特集 間質性肺炎と周辺疾患 -感染症から薬剤性まで-
7.肺胞タンパク症の診断治療の進歩
Pulmonary alveolar proteinosis:progress in diagnosis and therapy
杉本親寿
1
,
井上義一
2
Sugimoto Chikatoshi
1
,
Inoue Yoshikazu
2
1国立病院機構近畿中央胸部疾患センター・臨床研究センター 治験管理研究室長
2国立病院機構近畿中央胸部疾患センター・臨床研究センター 呼吸不全・難治性肺疾患研究部部長
キーワード:
Pulmonary alveolar proteinosis
,
diagnosis
,
therapy
,
GM-CSF
Keyword:
Pulmonary alveolar proteinosis
,
diagnosis
,
therapy
,
GM-CSF
pp.70-77
発行日 2013年3月25日
Published Date 2013/3/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201304070
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肺胞タンパク症はサーファクタントの生成または分解過程の障害により肺胞腔内を主とした末梢気腔内に,サーファクタント由来物質である好酸性の顆粒状タンパク様物質の異常貯留をきたす疾患である。GM-CSF(granulocyte-macrophage colony stimulating factor)に対する中和抗体(抗GM-CSF自己抗体)が発見され,その病態への関与が解明され,自己免疫性肺胞タンパク症と呼ばれるようになり,診断と治療に応用されている。一方で,肺胞タンパク症の標準的治療は依然として全肺洗浄であるが,適応基準や方法は施設ごとで異なる。続発性肺胞タンパク症はわが国では骨髄異形成症候群の合併がもっとも多い。先天性肺胞タンパク症は肺サーファクタント関連遺伝子の異常によりきたすが,症例数も少なく未解明な点も多い。現在,厚生労働科学研究費補助金難治性肺疾患克服事業にて,診断,治療,管理の標準化を目指している。