Japanese
English
特集 間質性肺炎と周辺疾患 -感染症から薬剤性まで-
3.びまん性肺胞傷害(DAD)の発生機序と治療
Diffuse alveolar damage-Pathogenesis and treatment-
田坂定智
1
,
金澤實
2
Tasaka Sadatomo
1
,
Kanazawa Minoru
2
1慶應義塾大学医学部呼吸器内科 講師
2埼玉医科大学呼吸器内科 教授
キーワード:
びまん性肺胞傷害
,
急性呼吸促迫症候群
,
肺保護的換気法
,
PMX-DHP
,
ECMO
Keyword:
びまん性肺胞傷害
,
急性呼吸促迫症候群
,
肺保護的換気法
,
PMX-DHP
,
ECMO
pp.40-48
発行日 2013年3月25日
Published Date 2013/3/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201304040
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
びまん性肺胞傷害を呈する病態には,急性呼吸促迫症候群(ARDS)や急性間質性肺炎,一部の薬剤性肺障害,間質性肺炎の急性増悪などがある。これらは発症過程に違いはあるものの,ほとんどの病態で活性化した好中球が中心的な役割を果たしている。治療には副腎皮質ステロイドや好中球エラスターゼ阻害薬が用いられるが,治療反応性は悪く,予後不良であることが多い。呼吸管理では,1回換気量を低く設定するなどの肺保護的換気法が推奨され,ARDSでは予後の改善が示されている。また,ポリミキシンB固定化線維カラムによる直接血液灌流療法(PMX-DHP)や,体外式膜型人工肺(ECMO)などの非薬物療法の有効性も報告されている。