第Ⅲ部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
統合失調症治療薬・抗精神病薬
堀田彰悟
1
,
山田清文
2
1名古屋大学医学部附属病院薬剤部
2名古屋大学医学部附属病院薬剤部・教授/薬剤部長
pp.438-444
発行日 2019年1月31日
Published Date 2019/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201913438
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第二世代抗精神病薬は,統合失調症に対する薬物療法の第一選択薬として推奨されている。第二世代抗精神病薬は,第一世代抗精神病薬と比較して錐体外路症状などの有害事象は軽減したが,体重増加や糖・脂質代謝異常などの代謝性有害事象が新たな問題となっている。2006年に上市されたアリピプラゾールは代謝性有害事象に対する安全性・忍容性は高いが,ドパミンD2受容体のパーシャルアゴニスト作用によると考えられるアカシジア,不眠,悪心・嘔吐などの有害事象が報告されている。そこで,有効性が高く,より安全性・忍容性に優れた新規抗精神病薬として,ブレクスピプラゾールが2018年に上市された。ブレクスピプラゾールはSDAM(Serotonin-Dopamine Activity Modulator)という新たなカテゴリーの抗精神病薬である。本稿では,ブレクスピプラゾールについて概説する。