今月の主題 循環器薬の使い方
急性心筋梗塞
抗不整脈薬の使い方
笠貫 宏
1
1東京女子医科大学付属日本心臓血圧研究所・内科
pp.1487-1491
発行日 1989年9月10日
Published Date 1989/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222656
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急性心筋梗塞(AMI)における不整脈は,最も頻度が高く,かつ致死的になりうる合併症として注目されている.CCUにおける不整脈監視システムの確立と抗不整脈薬,心臓ペーシング,電気的除細動の進歩によって,直接死因としての不整脈死は数%と減少している.しかし致死的不整脈とくに心室細動(VF)の頻度はほとんど変わらず,ポンプ失調などの死亡のtriggerとなりうる.したがってVFの救急処置,予知および予防は現在なおCCUの主目的の1つである.換言すれば,AMIにおける不整脈治療の目的はVFの予防にあるといっても過言ではない.しかしながら,AMIの頻脈性不整脈の発生機序,抗不整脈薬の作用機序,薬物動態学,薬力学,副作用およびVFの予知・予防など,未解明の問題は少なくない.本稿では,AMIにおける頻脈性不整脈および抗不整脈薬の使い方の特殊性,およびAMIにおける抗不整脈薬とくにlidocaineの投与計画について概説する.
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