今月の主題 心不全へのアプローチ
薬物治療—適応,使い方,副作用
抗不整脈薬の選択
長谷川 彰彦
1
,
吉本 信雄
1
1埼玉医科大学総合医療センター・第3内科
pp.1400-1402
発行日 1991年8月10日
Published Date 1991/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901013
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ポイント
1)重症心不全患者の予後は悪く,突然死の占める割合も高い.これには,重症心室性不整脈の関与が大きいものと考えられる.
2)抗不整脈薬は,陰性変力作用(VaughanWilliams分類の,とくにIA,II,IV群)および催不整脈作用を持っため,心不全患者への投与には注意が必要である.
3)心不全状態では,薬物動態が変化するため,抗不整脈薬による中毒症状を起こしやすい.また,肝臓での代謝や腎臓での排泄が低下し,薬物の半減期が延長するため,抗不整脈薬は少量より開始し,慎重に投与量を決定すべきである.
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