第Ⅲ部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
免疫抑制薬
北郡宏次
1
,
三森経世
2
1京都大学医学部附属病院免疫・膠原病内科
2京都大学大学院医学研究科内科学講座臨床免疫学・教授
pp.311-316
発行日 2019年1月31日
Published Date 2019/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201913311
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バイオテクノロジーの進歩により,さまざまな分野で分子標的治療が開発されている。しかし希少疾患では,新規薬剤の開発が困難であることも多く,既に他領域で承認されている薬剤について,分子生物学的な解析を元に,適応拡大という形で有効な治療の枠を拡げることがしばしば行われている。2018年には,これまで難治性の気管支喘息に適応のあった抗IL(インターロイキン)-5抗体が,好酸球性多発血管炎性肉芽腫症に有効な治療薬として適応拡大となった。治療の進歩により低疾患活動性を維持した状態で日常生活を送る患者も増え,さまざまなライフスタイル,人生設計に対応した治療計画が必要となっている。さらに同年,これまでの免疫抑制薬の使用実績を元に,3種類の免疫抑制薬について妊娠,出産に関連した添付文書の改訂が行われた。