第Ⅰ部 これからの医療のゆくえ
1.臨床研究法下における臨床試験のゆくえ
楠岡英雄
1
1独立行政法人 国立病院機構・理事長
pp.203-209
発行日 2019年1月31日
Published Date 2019/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201913203
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
臨床研究法の施行により,臨床試験に関わる規制として,「GCP(Good Clinical Practice)省令」,「臨床研究法・同施行規則」,「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」の3つが存在する。その結果,治験,特定臨床研究,特定臨床研究以外の医薬品等を用いる臨床試験,手術・手技に関わる臨床試験のいずれに該当するかによって,適用される規制が異なっている。このうち,医薬品等を用いる臨床試験で特定臨床研究に該当しないものは,今後,多くの医療機関で臨床研究法遵守の努力義務を考慮して法に則って行う方向に進み,これまで通り倫理指針に基づいて行うことは稀になると予想される。なお,GCP省令または倫理指針と,臨床研究法とでは,臨床試験の実施プロセスに大きな相違があり,今後,この相違を解消することが求められるかもしれない。