社会の動向
相撲界のゆくえ
長谷川 泉
pp.38-39
発行日 1957年6月1日
Published Date 1957/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201282
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相撲協会の改革が,衆院の文教委員会でもとりあげられ公の問題となっていた折から,協会の中心をなす出羽の海理事長の自殺さわぎがあつたりして,問題はいよいよ大きくなり,根本的な改革の方向に進むようである.目下のところ,協会の自主的な改革案が注目されている.
相撲は,国技としての特色を持つていただけに歴史的に見るならば,封建時代を通じて時の権力者の庇護のもとに成長してきた.その傾向は,現在においてもなお残存している.相撲自体に精神的な業のようなものが認められるにしても,現在大衆は相撲に対する場合に,野球やその他のスポーツとそれ程違つた概念を持つているわけではない.国技館に集り,或はテレビやラジオの前に集る場合に,大衆の観覧の態度は,他のスポーツとそれ程違つた態度をとるとは思われない.大衆的な健全な観ものである点,ほかのスポーツと変りはない.
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