糖尿病とがん
10.がん患者に対する糖尿病治療
大橋健
1
1国立がん研究センター中央病院総合内科長(糖尿病腫瘍科)/国立がん研究センター東病院糖尿病腫瘍外来
pp.107-112
発行日 2019年1月1日
Published Date 2019/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201901107
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日本人糖尿病患者の死因の第1位はがんである。糖尿病を有するがん患者では,周術期や化学療法時をはじめ,高カロリー輸液,経管栄養など,がん治療のさまざまな局面で糖尿病に対する特別な配慮が必要となる。また,がん治療中は食欲や体調の変動をきたしやすいことから,シックデイに関する患者教育を十分に行う。一方,ステロイドなどの影響でがん治療中に新たに糖尿病を発症するケースも見られる。最近では免疫チェックポイント阻害薬による1型糖尿病も注目されている。がんと糖尿病,それぞれの専門家の協働がこれまで以上に求められている。