糖尿病とがん
4.血糖コントロールと発がんリスク
後藤温
1
1国立がん研究センター社会と健康研究センター疫学研究部
pp.77-80
発行日 2019年1月1日
Published Date 2019/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201901077
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糖尿病を有する人は有さない人に比べて,肝臓がん,膵臓がん,大腸がんなどのがん罹患リスクが上昇することが報告されている。メカニズムの一つとして,高血糖そのものが発がんに関与することが想定されている。仮に,高血糖ががんリスクを高めているとすると,糖尿病患者における血糖コントロールによりがんリスクが低減できるかもしれない。しかし,現時点では,血糖コントロールががんリスクを低減させるか否かを判断するための十分なエビデンスは存在せず,今後,綿密に計画された研究により,その関係が明らかにされることが期待される。