糖尿病とがん
8.チアゾリジン薬と発がんリスク
窪田直人
1
,
門脇孝
2
1東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科病態栄養治療部・准教授
2東京大学大学院医学系研究科社会連携講座・特任教授/帝京大学医学部附属溝口病院病態栄養学講座・常勤客員教授
pp.99-102
発行日 2019年1月1日
Published Date 2019/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201901099
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チアゾリジン(TZD)薬はインスリン抵抗性改善系の経口血糖降下薬に分類され,PPARγ(peroxisome proliferator-activated receptor γ)のリガンドとして作用する。単独投与では低血糖は少なく,脂肪細胞分化の促進とそれに伴う脂肪細胞の形質回復によりインスリン抵抗性を改善すると考えられており,優れた血糖降下作用を有するが,心不全の悪化や骨折,膀胱がんのリスク増加等が報告されており,慎重に投与の可否を判断する必要がある。