糖尿病とがん
1.序~特集にあたって~
植木浩二郎
1
1国立国際医療研究センター研究所糖尿病研究センター長
pp.63-64
発行日 2019年1月1日
Published Date 2019/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201901063
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
わが国では,糖尿病治療の進歩による血管合併症発症率の減少や患者の高齢化に伴い,糖尿病患者の予後に大きな影響を与える疾患としてがんの位置づけが増している。糖尿病は,がんのリスクを増大させることも知られており,また糖尿病が存在するとがんの治療にも悪影響を及ぼす。糖尿病は長期にわたって薬物療法が必要となる疾患であり,治療薬ががんに及ぼす影響も重要であるが,まだ未知の部分が多い。今後,糖尿病患者の健康寿命延伸のためには,がんの発症予防や担がん糖尿病患者のがん治療・糖尿病治療の向上が必要である。このようないくつかの観点について,最新の情報を提供するべく,本特集を企画した。