ディベート 超音波ガイド下腎腫瘍生検術
腎腫瘍生検は果たして必要か—必要とする立場から
原 勲
1
Isao Hara
1
1神戸大学医学部泌尿器科
キーワード:
腎腫瘤
,
超音波
,
生検
Keyword:
腎腫瘤
,
超音波
,
生検
pp.1045-1049
発行日 2000年12月20日
Published Date 2000/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413903112
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1994年8月から1999年10月までの5年間に神戸大学医学部附属病院泌尿器科にて腎腫瘤性病変に対し針生検を施行した33症例を対象とした。腎腫瘤性病変に対しエコーガイド下に針生検を行った。内訳は,(1)画像診断にて腎細胞癌の所見を欠いたものが15例,うち腎細胞癌は11例で,悪性リンパ腫が1例に認められた,(2)癌性変化を疑った嚢胞性病変が7例,うち1例で腎細胞癌が認められた,(3)腎細胞癌と腎盂腫瘍の鑑別に用いたものが7例,うち2例は腎細胞癌,残りの5例は腎盂腫瘍であった,(4)腎細胞癌と血管筋脂肪腫の鑑別に用いたものが4例,うち1例が腎細胞癌で,残りは血管筋脂肪腫であった。悪性腫瘍と診断され手術を受けたものは15例で,摘出標本と針生検での病理診断が一致していたのは13例(86.7%)であった。重篤な合併症および腫瘍の播種は認められなかった。本検査法は腎の腫瘤性病変の診断に有効であると思われた。
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