ディベート 超音波ガイド下腎腫瘍生検術
腎腫瘍生検は果たして必要か—必要でないとする立場から
宮本 幸夫
1
Yukio Miyamoto
1
1東京慈恵会医科大学放射線医学講座
キーワード:
腎生検
,
腎腫瘍
,
画像診断
Keyword:
腎生検
,
腎腫瘍
,
画像診断
pp.1051-1054
発行日 2000年12月20日
Published Date 2000/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413903113
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腎腫瘍の生検は果たして必要かと問われたとき,「どのような場合であっても生検は百害あって一利なし」という放射線科医はきわめて少ないに違いない。しかしながら,「腎腫瘍を認めたら画像診断の結果がどうあれすべての症例において生検を施行すべきである」と主張する放射線科医も,これまた皆無に近いのではないだろうか。US,CT,MRIをはじめとする各種画像診断法は,まさに日進月歩であり,その速さはうかうかすると画像診断を専門とする放射線科医であっても追いついて行けなくなるほどである。こうした状況下にあって,改めて腎腫瘍性病変の診断におけるdecision treeの再構築を試みた場合,われわれは腎腫瘍の生検の意義とその位置づけをを問い直す必要があるのではないだろうかという疑問が生じてこよう。本稿は,このような背景をもとに,あえて腎腫瘍の生検は必要でないとする立場に立ち,筆者なりにその理論武装を試みてみた。
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