特集 Cardio Oncologyの現状と課題~専門医からプライマリケア医まで考えるべきこと~
1.序文 ~ Cardio Oncology: 専門医からプライマリケア医まで~
植田真一郎
1
1琉球大学大学院医学研究科臨床薬理学・教授
pp.2581-2583
発行日 2018年12月1日
Published Date 2018/12/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018122581
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超高齢社会を迎えたわが国では,がんが死因の第1位であり,生涯罹患率も50%と非常に高いものの,医療の進歩に伴い生命予後は年々向上してきている。このような状況下でCardio Oncology(腫瘍循環器学)が新たな学際領域として急速に広まりつつある。そこで,これまでのように,がん治療関連の心血管有害事象には,抗がん薬と心毒性といった個別的対応でよいのかなどの問題の提起,さらに個別的対応ではなく心毒性関連unitを形成するなどの組織的対応の必要性に迫られている。本特集では,分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害薬による心毒性,心筋障害,がんサバイバーの心血管リスク,共通する病態の解明などへいかに対応すべきか,またそれぞれの専門医からプライマリケア医までを巻き込んだ医療連携の整備,教育などが必要になっている状況について,それぞれの専門家に解説してもらった。