特集 Cardio Oncologyの現状と課題~専門医からプライマリケア医まで考えるべきこと~
2.がんと動脈硬化性疾患~臨床疫学的考察~
大倉裕二
1
1新潟県立がんセンター新潟病院腫瘍循環器科・部長
pp.2585-2591
発行日 2018年12月1日
Published Date 2018/12/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018122585
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がんと心血管病は危険因子を共有するため,がん患者には心血管病がよく見つかり,心血管病患者にはがんがよく見つかる。がんの30%は生活習慣病であり,5つの健康習慣(禁煙・節酒・食生活・身体活動・適正体重の維持)で,およそ40%が予防可能とされる。 プライマリケア医は,がん予防を意識した診療が求められる。がんに罹患した時点で,喫煙や飲みすぎなどの生活習慣があれば,心血管病の併存の可能性が高いことをがん医療に携わるスタッフは認識する必要がある。また,がん治療後は健康的な習慣を実践できるように,サバイバーへの支援が必要である。そのためには,がん専門医とプライマリケア医の連携が重要である。