Japanese
English
特集 前庭機能とめまい
序文
Preface
喜多村 健
1
Ken Kitamura
1
1東京医科歯科大学大学院耳鼻咽喉科
1Department of Otolaryngology, Graduate School, Tokyo Medical and Dental University
pp.158
発行日 2005年4月10日
Published Date 2005/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431100032
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- Abstract 文献概要
一般臨床において,めまい・平衡障害は,遭遇することの多い臨床症状である。特に,臨床神経学の領域においては,その診断と治療は課題のひとつである。しかし,ヒトの姿勢・制御は,前庭,視覚,深部知覚の受容器からの入力系と,これらの入力を統合する大脳,小脳,脳幹,さらに出力系である外眼器,四肢・頸部の筋肉,自律神経系等の多数の神経回路が複雑に関与しているため,めまい・平衡障害の病態を正確に把握するのは必ずしも容易ではない。
多種多彩な病変でめまい・平衡障害は生じるが,この中で頻度が多く,また解明が進んでいるのは末梢迷路前庭障害によるものである。そのため,本特集では,「前庭機能とめまい」をテーマに定め,主に前庭病変についての分子細胞生物学,形態,機能,臨床検査,新しい疾患概念等について概説する。さらに,中枢障害,空間識における重要な知見についても,最新のデータをもとに解説し,めまいの病態についての理解が深まるように編集した。
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