連載 感染症診断と病理
病原体と紛らわしい構造物(1)
堤寬
1
1つつみ病理相談所・所長
pp.2139-2151
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018102139
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病理診断の対象はとても幅広い。ときに,思いもよらない「検体」が病理診断の目的で提出される。感染症の病理診断を専門としている筆者のもとには,ときに妙な“病原体”が送付されてくる。そうした中から学んだ珍しい体験を,エッセイ風にまとめて紹介する。気楽に読み進めてほしい。とくに,「寄生虫」と紛らわしい変わった標本を着実に診断することは,過剰なあるいは余分な治療を防ぐ意味で,間違いなく患者さんに貢献していると筆者は信じている。巻頭図として,世界で二例目のヒト肺ダニ症が疑われた肺切除材料の顕微鏡所見を示す。