特集 インフルエンザの動向とその対策2018 ~ 2019
12.周産期・新生児期におけるインフルエンザ感染症対策
細矢光亮
1
1福島県立医科大学小児科・教授
pp.2261-2264
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018102261
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妊婦へのインフルエンザ対策としては,① 妊婦へのインフルエンザワクチン接種を勧める,② 妊婦がインフルエンザ患者と濃厚接触した場合,抗インフルエンザ薬の予防的投与(自己負担)を考慮する,③ 妊婦のインフルエンザ感染が確認されたら,できるだけ早く抗インフルエンザ薬の投与を開始する。 また,新生児へのインフルエンザ対策としては,① 母親が分娩前7日から分娩までの間にインフルエンザを発症した場合,分娩後より母子は他の母子から隔離し,児にはオセルタミビルの予防投与をせずに経過観察する,② 母親が分娩後~産院退院までにインフルエンザを発症した場合,個室管理とし,母子間の飛沫・接触感染に注意を払い,オセルタミビルの予防投与は原則投与せずに経過観察する,③ インフルエンザを疑う症状を有する新生児の場合,直ちにインフルエンザの検査診断を行い,インフルエンザ検査が陽性の場合はオセルタミビルの投与を考慮する。