特集 妊娠と糖尿病
周産期の母体管理と新生児のケア
浜田 悌二
1
,
哲翁 正博
1
,
稗田 義雄
1
,
石松 順嗣
1
,
松永 隆元
1
1久留米大学産科婦人科学教室
pp.834-843
発行日 1984年10月25日
Published Date 1984/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206529
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はじめに
近年,社会環境の変化は婦人の糖尿病罹病率の上昇を促し,また,妊娠中の糖代謝スクリーニングの普及により糖尿病合併妊娠あるいは妊娠糖尿病の診断率が高まり,糖尿病は産科合併症のなかでも大きなウェートを占めるに至っている。
周知のように,妊娠現象そのものが糖尿病合併母体に悪化の方向への影響を及ぼすほか,母体の高血糖環境は胎児に多彩な合併症を促し,新生児の周産期死亡率を増す一因となっている。本稿では糖尿病合併妊娠における周産期の母児管理を中心に,われわれ自身のデータをまじえて考察を加えてゆきたい。
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