特集 インフルエンザの動向とその対策2018 ~ 2019
11.薬局におけるインフルエンザ感染対策と抗インフルエンザ薬の適正使用
藤村茂
1
1東北医科薬科大学大学院薬学研究科臨床感染症学教室・教授
pp.2255-2260
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018102255
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2003年に日本の医薬分業率は50%を超え,調剤薬局数は5万カ所を数えるまでになった。こうした調剤薬局の待合室は,これまで外来処方箋を調剤してきた病院薬剤部の待合スペースに比し狭いことが多く,冬期には,この空間をインフルエンザの患者と非感染の患者が共有せざるを得ない状況がよく見られる。さらに薬剤師は,窓口で薬を渡すだけではなく,服薬指導中心の業務にシフトしており,患者との接触時間は確実に延びている。調剤薬局は,飛沫感染のリスクが高い場所であり,ハード面では,専用の感染症待合室を設置して対応している施設も増えてきた。薬局スタッフにおいては,インフルエンザの飛沫・接触感染予防策の実践が求められており,予防接種や状況に応じた予防投薬も考慮する必要がある。