特集 母子感染症の必修知識-エキスパートに学び予防につなげる
各病原体の母子管理 最新の疫学情報を含めて インフルエンザ 妊婦・新生児に対するインフルエンザ感染対策
細矢 光亮
1
1福島県立医科大学 小児科
キーワード:
インフルエンザ-ヒト
,
インフルエンザワクチン
,
抗ウイルス剤
,
新生児疾患
,
妊娠合併症-感染性
,
母乳栄養
,
予防接種
,
Oseltamivir
,
Peramivir
,
曝露後予防
,
乳汁中排出
Keyword:
Breast Feeding
,
Influenza, Human
,
Influenza Vaccines
,
Infant, Newborn, Diseases
,
Vaccination
,
Pregnancy Complications, Infectious
,
Antiviral Agents
,
Lacteal Elimination
,
Post-Exposure Prophylaxis
,
Oseltamivir
,
Peramivir
pp.131-134
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2020121003
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<Key Points>(1)妊婦は、インフルエンザに罹患すると重篤な合併症を起こしやすく、心肺機能が悪化して入院する相対的リスクは妊娠週数とともに増加する。(2)インフルエンザワクチン接種は、妊婦におけるインフルエンザの重症化予防と、生後6ヵ月以内の児のインフルエンザ罹患の減少に有効であり、妊婦へのワクチン接種が勧められる。(3)インフルエンザに感染した妊婦・分娩後2週間以内の褥婦は、重症化を予防するために抗インフルエンザ薬の投与が勧められる。インフルエンザ患者と濃厚接触した妊婦・分娩後2週間以内の褥婦は、抗インフルエンザ薬の予防投与を考慮する。(4)正期産児、それに準ずる早産児の出生直後の母子同室は妨げないが、飛沫・接触感染に十分注意を払う。(5)平成29(2017)年3月24日に公知申請により承認されたオセルタミビルの治療投与に関しては、新生児・乳児も適応になったが、低出生体重児または生後2週未満の新生児に対する使用経験が得られていないため、投与する場合は副作用の発現に十分注意する。(6)オセルタミビルの新生児への予防投与の有効性は明らかでないことから、原則行わない。
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