連載 患者のQOL向上と薬剤師の関わりPART II .服薬指導と病棟活動(124)
回復期リハビリテーション病棟における薬剤師の役割とその薬学的介入による医療経済効果
中嶋淑枝
1
,
箱﨑歩美
1
,
豊澤敦
2
,
牛尾幸子
3
1東京勤労者医療会みさと協立病院薬局
2東京勤労者医療会みさと協立病院薬局 課長
3東京勤労者医療会みさと協立病院薬局 部長
pp.1695-1700
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018071695
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回復期リハビリテーション病棟(以下,リハ病棟)では,病棟薬剤業務加算や薬剤管理指導業務加算の算定ができず,そこに人員を割くことは多くの病院で困難な現状にある。しかしリハ病棟では,急性期病院で新しく処方された薬剤の副作用チェック,リハビリを安心して受けられる薬物調整,精神合併症患者および高次脳機能障害患者の精神症状への介入などさまざまな役割がある。またハイリスク薬の割合が約4割(東京民医連リハ病棟調査)と高く,薬剤師介入の必要性を強く感じている。 そこで,薬剤師介入の効果の検証のために,みさと協立病院のリハ病棟での薬剤師による薬学的介入の医療経済効果を推算したところ,年間約8,590万円と算出された。 本稿では,その医療経済効果の内容と具体的介入をまとめたので報告する。