発行日 2017年2月1日
Published Date 2017/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201702117
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がん領域治療においては,予測された副作用を回避する疑義照会や,副作用を軽減する支持療法の構築が重要である。薬学的な疑義照会は,行うことが当然の無償の業務である。しかし,これを見逃した時の医療コストは多大なものとなる。また,副作用に対するより良い支持療法は,有効であることはもちろんのこと,医療経済的に安価であることが望ましい。さらに,がん治療の目的は,QOL(quality of life)とのバランスを保ちながら生存期間を延長させることである。つまり,質調整生存年(quality-adjusted life year:QALY)の増加である。高額な新薬を使用しても患者が副作用に苦しむならば,決して医療経済的に有効な治療であるとは言いがたい。薬剤師が支持療法へ介入し,QALYを低下させないことが重要である。