連載 患者のQOL向上と薬剤師の関わりPART I .院内製剤(91)
抗真菌点眼剤の調製と使用状況
髙濱啓太
1
,
森岡淳子
2
,
松本光希
3
1医療法人創起会くまもと森都総合病院薬剤部
2医療法人創起会くまもと森都総合病院薬剤部 薬剤部長
3医療法人創起会くまもと森都総合病院副院長/外科診療部長/眼科部長
pp.1689-1694
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018071689
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角膜感染症の病態は複雑で,多様な微生物感染に対する薬物治療を必要とし,視力低下を可能な限り防ぎ患者のQOL(quality of life)を確保することが治療の目的となる。薬物治療は感染性角膜炎診療ガイドラインに則り行われるが,真菌感染症に対しては市販されていない抗真菌薬の局所投与が推奨されており,臨床現場においては,注射製剤を点眼剤として使用することが求められる。疾患の重篤性から医師が必要とする点眼剤を院内製剤として提供することは,薬剤師にとって重要な責務であると考える。また,真菌性角膜炎治療は長期にわたる症例も存在することから,点眼剤の調製のみならず治療効果等の評価も,眼科医とともに行うことが重要であると考える。今回,くまもと森都総合病院における抗真菌薬の使用状況について報告する。