特集 実臨床へ向けた時間医薬研究の新動向
6.アレルギー疾患の概日リズム分子機構と新しい予防・治療法
中村勇規
1
1山梨大学大学院総合研究部医学域免疫学講座・准教授
pp.1445-1451
発行日 2018年6月1日
Published Date 2018/6/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018061445
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花粉症や蕁麻疹などのアレルギー性疾患では,特定の時間帯に症状が増悪することが報告されるなど,24時間の周期性(概日リズム)を示すことが知られている。しかしながら,その詳細なメカニズムはいまだに不明である。1997年に哺乳類における時計遺伝子が同定されて以降,さまざまな疾患との関連が報告され,これまでの発想とは異なる新規の治療戦略となる可能性が示唆されている。本稿では,アレルギー性疾患の概日リズム性症状発現における概日時計の役割について,筆者らが行ってきた研究成果を中心に概説する。