特集 精神科領域における薬物療法の現状と薬剤師の役割
7.精神疾患患者の社会復帰を目指した多職種連携の現状と薬剤師の果たすべき役割
定岡邦夫
1
,
定岡摩利
2
,
加藤秀明
3
1医療法人生仁会 須田病院薬剤部 薬剤部長
2医療法人生仁会 須田病院薬剤部 薬剤課長
3医療法人生仁会 須田病院薬剤部 理事長/院長/医局
pp.1043-1048
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018041043
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薬剤師の専門性とは,薬学的な視点からの薬物療法に対する積極的な介入と評価で,具体的には向精神薬の薬剤特性・薬物動態を考慮した処方提案,身体合併症を有する患者の薬剤管理,アドヒアランス向上などに貢献することである。これは社会復帰を目指した多職種連携の活動の場でも同じことである。筆者ら病院薬剤師は,① 入退院時の服薬支援,② 身体合併症の治療支援,③ デイケアでの服薬心理教育,④ 地域の薬局薬剤師との連携の場において,各専門職と連携・補完をしながら,当診療域の多職種による服薬支援体制を整備していった。本稿では,筆者らの取り組みを概説し,多職種連携の課題やチーム医療における薬剤師の果たすべき役割について考えたい。