特集 精神科領域における薬物療法の現状と薬剤師の役割
6.物質使用障害(薬物依存)・ギャンブル障害の現状と薬剤師の役割
溝口博之
1
,
山田清文
2
1名古屋大学環境医学研究所附属次世代創薬研究センター・講師
2名古屋大学大学院医学系研究科医療薬学・医学部附属病院薬剤部・教授
pp.1037-1040
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018041037
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米国精神医学会の「精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM)」が2013年の米国精神医学会開催に合わせて19年ぶりに改訂され,DSM-Vが刊行された。DSM-Vでは,物質使用障害(薬物依存)に加えて非物質使用障害としてのギャンブル障害が記載され,行動嗜癖という精神疾患として認知された。これは,昨今の研究により,ギャンブル障害の症状および障害に関連する脳内報酬系の活動パターンが,物質使用障害と類似することが分かってきたからである。そのような中,本邦では統合型リゾート整備推進法(IR法案)が可決され,依存症対策が急務となっている。本稿では,物質および非物質使用障害の理解を深めることを目的に,依存症の現状ならびに治療薬,非薬物療法などについて概説する。