第 I 部 新薬創出に向けたプラットフォーム構築
2.オープンイノベーション 1)アカデミアの立場から
小島宏建
1
,
岡部隆義
2
,
一條秀憲
3
,
長野哲雄
4
1東京大学創薬機構 副機構長/ 特任教授
2東京大学創薬機構 特任教授
3東京大学創薬機構 機構長
4東京大学創薬機構 客員教授
3東京大学薬学系研究科・教授
pp.225-231
発行日 2017年1月31日
Published Date 2017/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201713225
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日本医療研究開発機構(AMED)の設立に見られるように,創薬研究は国家プロジェクトとして推進されており,近年アカデミアでも創薬関連の研究が活発に行われるようになってきた。本稿ではアカデミア創薬の意義とその目標,AMED プロジェクトである「創薬等支援技術基盤プラットフォーム」で行われている低分子医薬品開発のための基盤整備および研究の進捗状況について,具体的な成果を紹介しながら解説した。アカデミア創薬は企業における創薬研究と相互に補完する形で,最終的には強固な産 学共同研究が行われるのが理想である。アカデミア創薬の目標は,POC(Proof of Concept:概念実証)に基づいた有効性・高い安全性・優れた体内動態などの物性を有した医薬品候補化合物の創出であり,それらの成果を治験を含む産学の連携研究に繋げることである。