特集 創刊50周年記念特集 医薬品開発における産官学連携の展望
2.各論 1)東京大学創薬機構の取り組み
小島宏建
1
,
岡部隆義
2
,
一條秀憲
3
,
長野哲雄
4
1東京大学創薬機構 副機構長/特任教授
2東京大学創薬機構 特任教授
3東京大学創薬機構 機構長/教授
4東京大学創薬機構 客員教授
pp.2331-2338
発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201510081
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
わが国の創薬研究における産学連携は以前から行われているが,成功例は限られていた。最近,東京大学創薬機構の化合物ライブラリーを始めとするアカデミア創薬研究基盤が整備されるとともに,政策による支援,産業界からの歩み寄りがあり,アカデミア発の創薬研究の推進体制はこれまでになく充実している。東京大学創薬機構が担う創薬等支援技術基盤プラットフォーム事業での支援は,創薬以外のライフサイエンス分野もカバーすることと,アカデミアの自由な発想を大切にすること,人材育成も重要視することなどで,創薬支援ネットワークが行う支援とは趣旨を異にしており,長期持続的な有用化合物の発掘に資する活動である。今後,日本医療研究開発機構(AMED)主導で最適な体制を模索することになるが,企業へのシーズ導出の成功経験も踏まえ,アカデミア研究者が創薬研究にさらに真剣に打ち込める環境作りに一層貢献していきたい。