特集 くすりの値段を考える
4.企業から見た費用対効果評価
廣居伸蔵
1
,
吉田真奈美
2
1武田薬品工業株式会社メディカルアフェアーズ部HEORプログラム HEORヘッド
2武田薬品工業株式会社メディカルアフェアーズ部HEORプログラム
pp.2665-2667
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201712077
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2016年よりわが国では費用対効果評価が試行的に導入された。中医協(中央社会保険医療協議会)のガイドラインでは,分析の立場は「公的医療の立場」を基本とする旨が明記されているが,企業の立場からは,患者を中心に考えることに基本的価値を置く必要があり,患者の利益に基づいて,患者と社会に対する医療技術の価値を評価することが肝要である。また,企業の課題として,内外の関係者と信頼関係を構築しつつ,一定の独立性を持って活動できる費用対効果評価の担当者の育成がある。企業は,医療現場への技術の導入後もより広義の医療技術評価を実施し,患者・医療関係者・医療費負担者および社会による意思決定と,最新の科学技術との整合性を高めていく必要がある。