連載 クリニカル・パスと薬剤師(73)
注射用オピオイド増量クリニカルパスの作成と導入効果
北野智英
1
,
秋元俊亮
2
,
吉永豊
3
,
片岡恭子
3
1医療法人社団葵会 AOI国際病院薬剤科
2医療法人社団葵会 AOI国際病院消化器外科
3医療法人社団葵会 AOI国際病院緩和ケア科
pp.2307-2312
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201710123
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オピオイド注射薬は,急速な痛みの増強や疼痛緩和を訴えるがん患者へ使用されることが多い。AOI国際病院(神奈川県川崎市)では速やかな疼痛緩和を目指して,迅速なオピオイドタイトレーションの指示と医療スタッフの観察項目の標準化に基づいた,「注射用オピオイド増量クリニカルパス」を作成した。クリニカルパスの導入により,医師の不在時でもオピオイドの増量が可能となり,その結果,注射用オピオイド薬の鎮痛維持量までの平均到達日数を有意に短縮することができた。また,医療スタッフの観察項目を標準化したことで,早期の副作用発見などにも有用であると思われた。今後,更なる検討と改訂作業を続けていくことが重要だが,クリニカルパスは速やかな疼痛緩和に大きく貢献できるものと考えられる。