Japanese
English
特集 インフルエンザウイルス感染
ウイルス側からみたインフルエンザウイルス感染のメカニズム
Viral Factors Regulating Infection with Influenza Virus
板村 繁之
1
Shigeyuki Itamura
1
1国立感染症研究所ウイルス第1部
1Department of Virology 1, National Institute of Infectious Diseases
pp.1097-1103
発行日 2000年11月15日
Published Date 2000/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902184
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
インフルエンザウイルスに限らず全てのウイルスは,宿主に存在する物質を何らかの形で利用して増殖するメカニズムを備えている.ウイルスの宿主に存在する物質の利用方法やどれを利用するかは,たぶんに便宜主義的である.どの物質をどのように利用するかはウイルスによって異なり,宿主側とウイルス側の因子が長い進化の相互作用の過程を経て決定されたと考えられる.したがって,ウイルス感染のメカニズムはウイルス側からと宿主の側からみた両側からの視点によって捉えることができよう.
本稿では,インフルエンザウイルスの感染様式の全般と感染のメカニズムを概説し,ウイルス遺伝子によって規定される各ウイルス蛋白質のウイルス感染における役割について個別に述べたい.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.