特集 インフルエンザの動向とその対策2018 ~ 2019
9.インフルエンザ感染症の予防:ワクチンを中心に
池松秀之
1
1日本臨床内科医会インフルエンザ研究班・リサーチディレクター
pp.2243-2248
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018102243
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インフルエンザ感染症に対して,特異的な予防にはインフルエンザワクチンと抗インフルエンザ薬が使用可能である。予防の中心はワクチンであり,その有効性は多くの研究から確認されているが,有効率は報告により異なっている。現行のインフルエンザワクチンは不活化HAワクチンであるが,ワクチンの感染予防効果が十分でない要因として,ワクチンによって誘導される免疫の程度が低いことや,ワクチン株と流行ウイルスの抗原性の違いなどが示唆されている。海外では小児を中心に経鼻生ワクチンが,高齢者では高用量の不活化ワクチンが一部で使用されている。新たなインフルエンザワクチンの開発は現在も進められている。