特集 安全で確実な不整脈治療 ~薬物治療・非薬物治療Update~
4.日本人心房細動患者のリスク層別化法
富田泰史
1
1弘前大学大学院医学研究科循環器腎臓内科学講座・教授
pp.1865-1868
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.20837/12017081865
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わが国では非弁膜症性心房細動患者の血栓塞栓症発症リスクの評価法として,CHADS2スコアが用いられている。しかし,日本人ではCHADS2スコアを構成するすべてのリスク因子が,血栓塞栓症発症に関与するわけではない。また,欧米では血栓塞栓症の独立したリスクとされる“女性”は,日本人ではリスクではない。Fushimi AF Registryの解析結果からは,低体重(≤50kg),持続性/永続性心房細動,腎機能障害,貧血などが血栓塞栓症発症のリスク因子として報告されている。日本人を対象とした複数のレジストリーの統合解析が現在進行中であり,日本人独自の血栓塞栓症発症リスクと,リスク層別化法の開発が期待されている。