特集 安全で確実な不整脈治療 ~薬物治療・非薬物治療Update~
3.β遮断薬を上手に使う
小松隆
1
1岩手医科大学内科学講座心血管・腎・内分泌内科分野・准教授
pp.1857-1863
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.20837/12017081857
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β遮断薬の開発は1950年代後半より開始され,1960年代には世界初のβ遮断薬プロプラノロールが不整脈診療のみならず,虚血性心疾患治療への本格的な臨床応用を始めている。その後,約70種を超えるβ遮断薬が開発されたものの,その大部分は淘汰され,現在では約10種類程度が臨床使用されている。近年,β遮断薬は多くの大規模臨床試験の結果や新たな心血管保護作用の解明もなされ,他の循環器疾患治療薬との併用も多く,ますますその重要性が増している。さらに,β遮断薬は心血管疾患の生命予後を改善させたエビデンスを有する薬剤であることも忘れてはならない。本稿では,主に抗不整脈薬としての薬理作用や実臨床におけるその使用法,ならびに注意点について概説する。