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第二期事業を2018年度よりスタート感染症克服に向けて世界規模で連携構築
pp.1604-1612
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201707030
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グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)は6月1日,都内で記者会見を開き,これまでの第一期(2013~ 2017年度)の事業成果を報告するとともに,2018年度から予定されている第二期(2018~ 2022年度)事業の目標を発表した。グローバルヘルス技術振興基金は,日本政府,国内製薬企業5社と,米国のビル&メリンダ・ゲイツ財団が共同で資金拠出し,開発途上国の医療問題解決を目指して2013年4月に設立された国際基金。100億円規模の拠出金をもとに,開発途上国の感染症制圧に向けた新薬やワクチン,診断薬等の研究開発に対して資金援助を行ってきた。官・企業・市民団体(財団)が共同で出資し,グローバルヘルスの開発に特化した援助を行う基金は世界初であり,参加企業・組織は2017年現在,国内39団体,海外49団体に上る。グローバルヘルス技術振興基金はこの4年間に,日本の創薬技術と知見を活用した61件の治療薬開発プロジェクトに投資し,非臨床試験候補製品12件,臨床試験候補製品6件の成果を収めており,うち2件は第III相試験に向けた準備が進んでいる。今後,2022年度までの5年間を想定している第二期に向けて,参加団体からは200億円以上の資金を確保済み。国際的な注目を集める同基金が,世界の保健医療の向上のためにさらなる貢献をすることが期待される。