Japanese
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特集 難治性びまん性肺疾患克服への取り組み
リンパ脈管筋腫症克服に向けて:患者とともに
Overcome of Lymphangioleiomyomatosis:Toward a common goal with patients together
井上 義一
1
Yoshikazu Inoue
1
1国立病院機構近畿中央胸部疾患センター臨床研究センター呼吸不全・難治性肺疾患研究部
1Department of Diffuse Lung Diseases and Respiratory Failure, Clinical Research Center, National Hospital Organization Kinki-Chuo Chest Medical Center
pp.355-362
発行日 2012年4月15日
Published Date 2012/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101929
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はじめに
リンパ脈管筋腫症(lymphangioleiomyomatosis;LAM)は,妊娠可能年齢の女性に発症する全身性,慢性,進行性の難治性稀少疾患である.LAMは非遺伝性である孤発性LAM(S-LAM)と,遺伝性(常染色体優性遺伝)の結節性硬化症(TSC)に伴うLAM(TSC-LAM)に分類される1).近年TSCに関する研究から,関連遺伝子が発見され,それを契機に病態解明に加え,現在,新たな治療法も開発されつつある.LAMのように患者数が極めて少ない場合,研究を実施する事は困難を伴うが,強い意志を持った患者,患者会自らが,難病克服のために立ち上がり協力する事でこれらの進歩を実現する事が可能となる.
本稿では,LAMの現状,最近の臨床試験の結果の紹介に加え,シロリムス(ラパマイシン)を中心とした新しい治療法開発の現状,患者会との関わりを含めわれわれの経験を紹介する.
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