特集 新しい医療を拓くメカノバイオロジー
9.メカニカルデバイスとiPS細胞を用いた新しい再生医療
鳥澤勇介
1
1京都大学 白眉センター 工学研究科マイクロエンジニアリング専攻・特定准教授
pp.1477-1481
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201706105
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マイクロエンジニアリング技術とティッシュエンジニアリング技術を融合することで,Organ-on-a-chipと呼ばれる新規の生体模倣デバイスが近年開発されている。これは,体内における細胞周囲の微小環境を忠実に模倣することで,体外で臓器レベルの細胞機能を再現する技術である。従来の細胞培養技術では再現できなかった細胞機能が保持可能となり,新規なプラットフォームとして,病気のモデル化や創薬などへの応用が期待されている。特に,通常の培養手法では再現が難しいメカニカルな環境の模倣が可能となる点に特徴がある。本稿では,メカニカルな環境を再現可能なOrgan-on-a-chipデバイス技術とiPS(induced pluripotent stem)細胞技術との融合に向けた取り組みに関して紹介する。