特集 新しい医療を拓くメカノバイオロジー
7.運動と代謝の機能的連関~運動模倣薬(Exercise pill)は可能か?~
宮坂恒太
1
,
久保純
1
,
松本健
1
,
小椋利彦
2
1東北大学・加齢医学研究所・神経機能情報研究分野
2東北大学・加齢医学研究所・神経機能情報研究分野 教授
pp.1461-1465
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201706089
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高齢化が進行した社会において,著しく正に傾いたエネルギー代謝収支は,肥満,糖尿病をはじめとする多様な疾患を生んでいる。そして,セデンタリーな生活習慣は,この傾向に拍車をかけており,肥満大国のアメリカや日本でも大きな問題となっている。一方,この二つの真逆となるカロリー制限と運動は,現時点で寿命を延ばす要因であると考えられている。このため,カロリー制限や運動を模倣するような薬剤,治療法の開発が活発に行われている。
本稿では,カロリー制限模倣薬,運動模倣薬の現況を概説しながら,メカノバイオロジーの観点から,この領域にどのように関わっていくべきかを論じる。