特集 新しい医療を拓くメカノバイオロジー
6.超音波医療の原理と可能性
進藤智彦
1
,
伊藤健太
2
,
下川宏明
3
1東北大学病院循環器内科
2東北大学病院循環器内科 准教授
3東北大学病院循環器内科 教授
pp.1455-1460
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201706083
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近年,わが国では加速する人口の高齢化や食生活の欧米化により,従来の治療法では治療効果が十分に得られない重症狭心症症例が増加している。このような症例は,胸痛や息切れにより生活の質が著しく低下するため,医学的・社会的に解決すべき大きな課題となっている。2010年には,低出力体外衝撃波治療が先進医療に承認された。これは体外から低出力衝撃波を心筋に照射し,血管新生を誘導することで心機能を改善させるものである。さらに,超音波を用いた血管新生療法が開発され,現在全国の主要循環器施設で治験が行われている。本稿では,この超音波血管新生療法について概説するとともに,その基盤となるメカノトランスダクション機構について紹介する。