特集 ファーマコメトリクス~創薬と薬物治療マネジメントでの活用~
8.小児領域におけるファーマコメトリクス
中村秀文
1
1国立研究開発法人 国立成育医療研究センター 臨床研究開発センター開発企画部・開発企画主幹
pp.1283-1287
発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.20837/12017051283
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ファーマコメトリクスは,欧米では小児医薬品開発に積極的に活用され始めている。具体的には,① 用法・用量の選択,② 試験デザインの最適化,③ 有効性検証などのエビデンスの強化,④ 承認用法・用量の適正化,などに活用可能と考えられ,わが国でもこの手法を活用して承認申請された事例が散見されるようになっている。臨床現場でも,母集団薬物動態モデルの構築とベイズ推定法を用いた個々の小児患者に対する薬物動態の予測および投与量調節が行われる,実践的な活用事例が報告されている。今後,わが国でも小児を対象としたファーマコメトリクスの活用が進むと考えられるが,その推進のためには産官学の連携が必須であると考えられる。