特集 ファーマコメトリクス~創薬と薬物治療マネジメントでの活用~
7.医薬品承認審査におけるファーマコメトリクス
木島慎一
1
,
落合義徳
1
,
佐藤正延
1
,
永井尚美
2
1医薬品医療機器総合機構(PMDA)
2医薬品医療機器総合機構(PMDA)
2〔現現 武蔵野大学薬学部・教授〕
pp.1275-1281
発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.20837/12017051275
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近年,医薬品開発の成功確率の向上や適正使用のより一層の推進を目指し,ファーマコメトリクスを活用した開発戦略が注目されており,ファーマコメトリクスの意義は広く認識されるようになってきた。このような状況も踏まえ,国内外で,最新の科学的知見,解析理論や技術の進歩を反映した行政指針の策定が進んでいる。
本稿では,審査当局の立場から,本邦における承認審査でのファーマコメトリクス活用の現状として,新医薬品承認申請における動向および承認審査事例を示すとともに,医薬品医療機器総合機構(PMDA)における新たな取り組みとして,モデリング&シミュレーション(M&S)関連事項の評価体制について紹介する。さらに,国際的規制調和の動向として,海外規制当局との連携および米国食品医薬品局(FDA)への職員派遣について紹介する。最後に,医薬品評価におけるファーマコメトリクスの活用について,今後の展望とPMDAの取り組みを述べる。